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千葉県柏市 - 芝浦工業大学柏高等学校は、私立中高一貫校で中学校に入学してくる生徒にノート PC を一人一台購入させ、校外行事の事前学習、HP・レポート作成など情報教育に力を入れている学校で、海外姉妹校とのメール交換等の国際教育も行っています。文部科学省より平成 16 年度から SSH (スーパーサイエンスハイスクール) *1 に指定され、高校 1 年生の希望者約 30 名を対象に、放課後生命科学と数学の特別授業を行っており、奥田先生はこの特別授業の担当の先生です (2008 年当時)。理数に特化したプログラムを希望してくる生徒たちなので、意欲も高く、実験や活動には熱心に取り組みます。
今回のプロジェクトは、毎週放課後に活動を行った生命科学の特別授業での実践です。
「生徒が入学したての 5 月、実験が楽しいだけで終わっているように感じ、WEB を活用する実験の事前事後学習プログラムを考え、作成しました」と奥田先生は言います。
実験の事前学習は、専用 HP に各自が都合の良い時間帯にアクセスし、必要な知識や実験手順を WEB 授業の動画で予習し、実験を行う上で危険な操作や注意すべき操作を確認します。この WEB 授業で予習をすることで、DNA や大腸菌とは何かといった基礎知識、実際の大腸菌遺伝子組換え実験手順などを確認します。
当日の実験ではノート PC で専用 HP にアクセスし、必要に応じて手順を確認しながら実験を行います。
「実験マニュアルを実験手順の動画と共に事前に読み、理解しているので、落ち着いて操作を行っています。また、実験中に再度動画で操作を確認できるので、生徒が教員に質問する内容も必要最小限のものとなります。
指導する教員は生徒の安全管理と全体把握に集中でき、PC を使用しないときと比べ、実験操作に関する質問が減り、以前は各班からでる様々な質問や操作上のミスのフォローに費やしていた時間を、試薬の入れ間違いなど重要なミスを見つけることに費やし、失敗や事故を未然に防ぐことが可能となりました」と先生は言います。
実験後、結果を専用 HP にのせ、実験の考察・感想・疑問を BBS *2 に書き込み、情報を共有化します。そして発展的な活動として、生命倫理についてのディベートや学会でポスター発表を行うこともあります。
「生徒は、実験に対し今までのやり方だと教師の説明がないとできず、やらされている感がありましたが、段取りが自分たちの頭に入っているので能動的に行うようになりました。作業を待っている間も私語が少なくなり、次の手順の準備をする様子が見られます」と奥田先生は成果を感じています。
「家庭で準備をする時間を多くとることにより、授業時間が有効に使えるので実験の回数を増やすことができました。また 1 つ 1 つの実験が効率よく進められることから、ある時は実験時間を約 10 分も短縮することができました。1 年次の初期の段階では、実験機器や薬品についての知識や実験操作の習得が十分ではないのですが、上記のプログラムにより道具の使い方も事前に学ぶことができ、安全性も確保することができました」(奥田先生談)
「生徒からは実験後、BBS に 『自然界に存在しない大腸菌を作って良いのだろうか』 『遺伝子組換えが意外と簡単にできることがわかった。悪用されないか心配になった』 といった生命倫理に関するさまざまな意見が書きこまれました。BBS は、普段発言や質問が苦手な生徒も気楽に書きこめる利点があります。また BBS 上のコミュニケーションで考えを深め、さらにディベート (生命倫理をテーマ) につなげていく等の工夫をすることで有効なツールとして利用できました」と先生は、ICT を活用しての実験フォロープログラムの効用について話します。
*1 SSH: 文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度
*2 BBS: Bulletin Board System パソコン通信で、ネットワークに加入している会員が自由にメッセージを書き込んだり読んだりできるコンピューター上の掲示板。電子掲示板。
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