階層メモリーシステムのメリット

VMware Tanzu 環境における階層メモリーについて説明します。

VMware Tanzu は、人気の高いコンテナ・プラットフォームで、VMware は Tanzu 上で自社のコンテナ化されたアプリケーションを稼働させています。VMware の IT 部門は、Tanzu を使用する顧客と同様に、厳しい IT 予算、メモリー負荷が高い最新のワークロード、古くなったハードウェアといったデータセンターの課題に直面しています。VMware は、最近インテルと提携し、ハードウェアのアップグレードによってサーバーを統合し、階層メモリーを使用して既存のレガシー・ハードウェアで対応可能な容量以上のメモリーを Tanzu のコンテナ化されたワークロードに提供することの実現可能性を探りました。

インテル® Optane™ パーシステント・メモリー (PMem) は、メモリーとストレージの両方の特性がある点でほかと異なります。デフォルトのメモリーモードのコンフィグレーションでは、インテル® Optane™ PMem はソフトウェア・アプリケーションの変更を全く必要とせず、エンドユーザーへの透明性があります。階層メモリーでは、小容量の DRAM が最新データ用のキャッシュとして使用され、コンテナまたは OS からはシステムメモリーの一部として見なされません。メインのシステムメモリーは、コスト効率のよいインテル® Optane™ PMem モジュールからなります。これは、DRAM DIMM と同じフォームファクターで、メモリーバス上の同じ DIMM コネクターにインストール可能です。ほとんどのシステムでは、各メモリーチャネルで DRAM DIMM を最初の DIMM スロット (スロット 0) に、インテル® Optane™ PMem DIMM を 2 番目のスロット (スロット 1) に挿し込みます。

階層メモリーシステムの適性なサイズ化のためのベスト・プラクティスに従い、VMware のデータセンター・アーキテクトは、メモリーと CPU 利用率を理解するために実際の本番環境で Tanzu で実行されているコンテナ化されたワークロードを監視しました。レガシーのサーバー環境で収集されたこのメトリクスにより、VMware Tanzu の実装はインテル® Optane™ PMem による階層メモリーシステムに最適なことが示されました。階層メモリーにより、VMware は、27 台のレガシー・ブレード・サーバーを第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー搭載のもっと新しい 1U サーバーに置き換えることができました。その結果、サーバー当たりのメモリー容量が 384GB から 4TB に増加した一方で、メモリーコストは最大 33% 削減されました。

VMware Tanzu を実行するインテルのハードウェアをアップグレードしてインテル® Optane™ メモリーを使用することで、次のメリットが得られます。
* サーバーの統合。IT 部門はより少数のサーバーでコンテナを実行できるようになり、データセンターのフットプリントの縮小、インフラストラクチャーの複雑性の軽減、効率の向上が実現。
* システムメモリーが大幅に増加。DRAM で物理的にまたは予算上可能な容量をはるかに超えてメモリー容量を大幅に引き上げることが可能。
* 1 平方フィート当たりのコンピューティング・パワーの向上。前世代のプロセッサーと比べてメモリーチャネルが増え、コア当たりのパフォーマンスが強化された インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーへのアップグレードにより、コンピューティング負荷の高いコンテナのサポートを可能に。
* CapEx の削減。階層メモリーシステムは、GB 当たりのメモリーコスト額 ($/GB) を削減できます。

まとめますと、VMware による Tanzu 本番環境への階層メモリーの導入は、インテル® Optane™ PMem が大規模なサーバー統合を実現することを証明しました。サーバー台数は最大 66% 削減され、巨大な容量のメモリーを VMware Tanzu コンテナ向けに手ごろな GB 当たりの額で提供します。サーバー数の縮小とメモリーの増大によって予算が増加し、VMware のビジネスの成長に従ってさらなるスケーリングのためのスペースが生まれます。VMware の顧客は、自社の Tanzu 環境のメモリーと CPU 使用率を調査し、データセンターで階層メモリーを活用すれば同様のメリットを得ることができます。