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マイクロプロセッサーのもとになる高度な電子回路は、そのほとんどがトランジスターと呼ばれる小さな素子の組み合わせによってできています。トランジスターは、そのひとつひとつがスイッチの役割を果たし、スイッチの高速な ON/OFF 動作によってさまざまな計算を行っています。ここでは、トランジスターの生い立ちと基本的な構造、そして最新のトランジスター技術について解説していきます。

半導体によって作られる小さな電子素子「トランジスター」

トランジスターは、弱い電気信号を強い信号に変える増幅器としての役割や、電気信号の流れを高速に ON/OFF するスイッチとしての役割を果たす小さな電子素子です。トランジスターは、半導体と呼ばれる物質からできています。半導体とは、金属のように電気を通しや すい物質 (導体) とゴムやプラスチックのように電気を通さない物質 (絶縁体) のちょうど中間的な性質を持つ物質のことです。

半導体の材料にはさまざまなものがありますが、マイクロプロセッサーでは主にシリコン (ケイ素) が用いられます。純粋な半導体 (真性半導体) はあまり電気を通しませんが、ヒ素やリン、ホウ素といった不純物をほんの少しだけ加えると電気的な性質が変わります。トランジスターは、このように微量の不純物が加えられた半導体 (不純物半導体) をいくつかつなぎ合わせて作られています。

トランジスターは非常に高速で半永久的に動作する電子的スイッチ

トランジスターは、1948年に AT&T ベル研究所のショックレー、バーディーン、ブラッテンらのグループによって発明されました。彼らは、軍事レーダーを検知する研究から半導体のゲルマニウムに注目し、このゲルマニウムに微量の不純物を加えたものを組み合わせると、電流の増幅作用 (元の信号と同じ形をした強い信号を作り出す作用) が生まれることを発見しました。当時は真空管を用いて軍事レーダーの微弱な電波を増幅していましたが、トランジスターは真空管よりも消費電力が少なく、寿命も長いというメリットを備えています。このため、真空管を置き換える次世代の素子として、軍事用途だけでなく民生用途にも利用範囲が一気に広がり、またたく間に普及しました。

トランジスターは、主に信号増幅用の素子として使われ始めましたが、時間が経つにつれてスイッチとしての機能にも着目されるようになりました。

実は、増幅作用を最も単純化したものがスイッチとしての働きです。増幅する前の信号を「流れている」と「流れていない」という 2つの状態に限定すれば、それによって増幅される信号も「流れている」と「流れていない」という 2つの状態のみとなります。つまり、増幅前の信号がスイッチのボタンとなり、このボタンに連動して増幅後の信号を流したり、止めたりすることができるので す。このようにして動作するスイッチは、金属と金属が触れ合う機械的なスイッチと異なり、非常に高速に、しかも半永久的に動作します。

トランジスターを超小型スイッチとして利用するマイクロプロセッサー

マイクロプロセッサーは、トランジスターを超小型のスイッチとして利用しています。

人間は 0 ~ 9 という 10個の数字で数を表現する 10進法で計算しますが、現代のコンピューターは「0」と「1」という 2つの数字だけで数を表現する 2進法を使用しています。2進法は、0 と 1 しか数字がありませんので、0 、1 と続き、桁が繰り上げられて 10、11、さらに繰り上げられて 100、101 というように数を表現します。

2進数の「0」はスイッチ OFF 、「1」はスイッチ ON として置き換えられます。コンピューターは、スイッチの ON/OFF に置き換えられる「0」と「1」の特定の並び方 (パターン) によって、さまざまな文字、図、色などを表現しています。例えば、下表のように大文字のアルファベット (A ~ Z) は、ASCII 文字コードと呼ばれる規則に従って 8つの「0」と「1」の組み合わせで表現できます。近年のコンピューターで扱われている写真や音楽、動画といったデジタルコンテンツも、数多くの「0」と「1」が集まったものです。マイクロプロセッサーは、「0」と「1」によって表現されるさまざまなデジタルデータを、膨大なスイッチの組み合わせによって超高速に計算・加工しています。

1つの半導体チップに数多くのトランジスターを作り込んだ集積回路

トランジスターは、もともと指でつまめるほどの大きさのパーツで、主に信号増幅用の素子として電子パーツ専門店などでも簡単に入手できるものです。一方で、マイクロプロセッサー内部のトランジスターは、最先端の半導体製造技術によって 1つの半導体チップ上に作り込まれた非常に小さな素子です。一般に、1つの半導体チップ上にトランジスターなどの電子素子を多数作り込んだものを「集積回路」と呼んでいます。

集積回路は、インテルの創始者の一人としても知られるロバート・ノイスとテキサス・インスツルメンツ社のジャック・キルビーによってそれぞれ発明されました。その後、急速に進化を遂げていく集積回路の数々は、2人が持つ基本特許に基づいて製造されています。半導体チップに集積されるトランジスターの数は、インテルの元社長だったゴードン・ムーアが 1965年に提唱した「ムーアの法則」に従い、ほぼ一定の割合で着実に増え続けています。こうした継続的な進化の結果、最新のマイクロプロセッサーには、実に 10億個を軽く超える膨大な数のトランジスターが集積されています。

 

マイクロプロセッサーなどの集積回路で使われている MOSFET

マイクロプロセッサーなどの集積回路には、MOSFET (Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor) と呼ばれるトランジスターが用いられます。MOSFET は、外部から電圧を加えることで電流の流れを制御するトランジスターのことです。構造が単純で集積させやすく、小さな電力で動作します。MOSFET には、電流の入口となるソース、出口となるドレイン、電流の流れを制御するゲートという 3つの金属電極があります。そして、ゲートにかける電圧を制御することで、ソースとドレイン間の電流を流したり、止めたりします。

MOSFET では、ソースとドレインに同じ性質を持つ半導体、ゲートの真下にあるチャネル領域にその反対の性質を持つ半導体を配置します。例えば、n型と呼ばれる MOSFET は、ソースとドレインに自由電子を多く含む半導体 (n型半導体) 、そしてゲート下のチャネル領域には自由電子が不足している半導体 (p型半導体) を組み合わせます。逆に、ソースとドレインに p型半導体、ゲートに n型半導体を配置した p型の MOSFET もあり、両者を組み合わせたものを CMOS (Complementary MOS) と呼びます。

最新の 14nm (ナノメートル) プロセス・テクノロジー

インテルのマイクロプロセッサーは、ムーアの法則に従って進化を続けていますが、このムーアの法則を支えているのが半導体チップの製造方法に大きく関わる「プロセス・テクノロジー」です。プロセス・テクノロジーの進歩こそが、マイクロプロセッサーの処理性能や機能を決めているといっても過言ではありません。そして、現在最新の半導体製造技術が、きわめて緻密な回路を作り込める 14nm (ナノメートル) プロセス・テクノロジーです。

この 14nm という数字はプロセスノードと呼ばれ、直近の約 10年間で 90nm → 65nm → 45nm → 32nm → 22nm → 14nmという微細化の変遷をたどってきました。このように、新しいプロセス・テクノロジーが次々と投入されることで、1個の半導体チップに集積可能なトランジスター数が増加します。これにより、多数の実行コアや強力なグラフィックス機能を搭載したマルチコア・プロセッサーを製造したり、仮想化や高度なセキュリティーを支援する機能をマイクロプロセッサーに組み込んだりできるようになるのです。

業界に先駆けて実用化された立体構造の 3次元トライゲート・トランジスター

マイクロプロセッサーを構成するトランジスターには、これまで平面的な 2次元構造のゲートを持つプレーナー型トランジスターが採用されてきました。その一方で、半導体技術の研究者は、ムーアの法則をこれからも維持させるうえで、トランジスターの 3次元構造が有効であると考えていました。インテルの研究者は、3面あるゲートにちなんでトライゲートと呼ばれる新しいトランジスター構造を 2002年に発明し、約 10年にわたる数々の技術的なブレイクスルーを経て量産化に成功しています。この 3次元トライゲート・トランジスターは、22nm プロセス・テクノロジーで製造されるマイクロプロセッサーから順次採用され始めています。

インテルの 3次元トライゲート・トランジスターでは、従来の平面的なプレーナー・ゲートに代わり、驚くほど薄い 3次元構造のシリコンフィンがシリコン基板から垂直に立っています。電流の制御は、シリコンフィンを取り巻く 3つの面 (両側面に 2つ、上面に 1つ) のゲートによって行なわれます。これにより、1面のゲートで制御するプレーナー型トランジスターと比べて、より少ない電力で、より高速なスイッチ動作を可能にし、これまでのトランジスターでは考えられないほどのパフォーマンス向上と電力効率を達成しています。また、最新の 14nm プロセス・テクノロジーでは、シリコンフィンの高さをさらに高くするなど、構造上の改良を加えることで、トランジスターの特性がますます向上しています。

インテル・ミュージアム


インテルは、世界最大の半導体メーカーです。主要な半導体製品として、コンピューターの頭脳 「マイクロプロセッサー」 を開発、製造しています。インテル・ミュージアムでは、そんなマイクロプロセッサーの歴史、動作の仕組み、最新技術などを取り上げていきます。

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