責任ある AI
倫理的かつ公平な「責任ある AI」の実現には、プロセス、システム、データ、アルゴリズム、そして開発する人を含む包括的なアプローチが必要となります。インテルは、AI を設計する上で社会に与えるリスクを低減し、メリットを最適化することを推進しています。
インテルが目指すもの
インテルは、長年にわたるテクノロジー開発において、テクノロジーが倫理や人権に与える影響とそれらを尊重する重要性を認識し、守り続けてきました。その中でも、AI テクノロジーの開発にあたっては、倫理的な意味や人権の意義を十分に認識したうえで取り組んでおり、インテルが開発・展開する AI が責任ある行動をとることを徹底するために、開発の初期段階から最善の方法や指針を示し、責任ある AI を開発できるツールを考案し、展開することを目指しています。
米国のビジネス・ラウンドテーブル (Business Roundtable) の会員でもある、インテルの CEO を務めるパット・ゲルシンガーによる、「責任ある AI」の重要性についての提言を、動画でご覧ください。
責任ある AI を構成する要素
インテルは、AI テクノロジーを責任あるものとして進化させることに全力で取り組んでいます。そのために、開発のライフサイクル全体を通してあらゆる側面を網羅する非常に厳しいレビュープロセスを活用しています。偏見をなくすために開発チームを多様性に富んだメンバーで編成し、AI の悪用を考えられる限り軽減するためにさまざまな業界のパートナーと連携しています。さらにインテルは、業界をリードする国際標準や業界のベスト・プラクティスに基づいたプロセスを実施するために尽力しています。これまでテクノロジーの進化に伴い大きな発展を遂げてきた AI ですが、これからどのように進化していき、何ができるようになるのかは、まだまだ不透明です。インテルは、AI をポジティブな方向へ変化するよう推進し、内包するリスクをこれまで以上に軽減させるテクノロジーの活用方法を継続的に模索しています。また、責任ある AI をサーバーや PC で扱いやすく効率的なソリューションへと発展させるために、インテル自身のプラットフォームを進化させつつ、学界や業界のパートナーと協力して、AI 分野での研究に取り組み続けています。
社内外のガバナンス
社内では、多くの専門分野の役員で構成される諮問委員会が、「人権」、「人間による監視」、「AI の説明可能な利用」、「安全性と信頼性」、「個人のプライバシー」、「公平性と包括性」の 6 つの主要領域の観点から、さまざまな開発活動をレビューしています。社外においては、インテルの Global Human Rights Principles (人権に関する全社共通の指針) に従い、インテルの製品がこの指針に違反するかたちで使用されていることを、インテルが認識した場合、インテルの製品が人権を侵害する方法で使用されないと十分に確信できるまで、インテルは当該乱用を軽減するため、違反する行為を行っている取引先との取引制限や取引停止を含む適切な処分を講じることになっています。
研究とコラボレーション
インテルは、プライバシー、セキュリティー、人間と AI の協働、メディアの信頼性、AI のサステナビリティー、説明可能性、透明性に関する研究を行うために、世界中の学会とパートナーとなり協力しています。また、AI の意義についてさらに理解を深め、世界的な課題を解決することを目指し、関連情報の発表やコラボレーション、業界全体でのパートナーシップ締結への取り組みを、リーディング・カンパニーとして推進し続けています。
Private AI Collaborative Research Institute (プライベート AI 共同研究機関)
製品とソリューション
インテルは、責任ある AI をサーバーや PC で扱いやすくするために、さまざまなプラットフォームとソリューションを開発しています。そして、責任ある AI を開発するうえで必要となる、プライバシーやセキュリティー、透明性の改善と、偏見の軽減を実現するためのソフトウェア・ツールの提供や、さまざまなアルゴリズムによるアプローチを模索しています。各アプローチの課題を理解し、適切に対処することを目的とした民族学的調査も実施しています。
インテル® ホモモロフィック・エンクリプション・ツールキット (インテル® HE ツールキット)
クラウドからエッジ、オンプレミス環境での信頼性を保証する Project Amber を発表
インテルによる業界初のリアルタイムでディープフェイクを検出するプラットフォーム
CAM-Visualizer (クラス・アクティベーション・マップ・ビジュアライゼーション・ツールキット)
OpenVINO™ オートマチック・モデル・マニフェスト・アドオン・ツールキット
包括的な AI
インテルは、AI の開発と展開において公平性や包括性、そして文化的感受性が必要であると認識しています。そのため、AI テクノロジーを扱うことになるチームが、多様性に富み、包括的なものとなるように、全力を尽くしています。その一環として、インテルは学生向けの「Digital Readiness Program (デジタル人材育成に向けた取り組み)」を通して、AI の倫理的指針や責任ある AI とそれを活用したソリューションを開発するための倫理的な方法について、学生たちの認識を高める働きかけをしています。インテルは、AI テクノロジーは多様性に富んだ人々の観点や意見、体験により提供された情報をもとに、さまざまな観点や意見、体験をしている多様性に富んだ人々が開発する領域だと考えています。だからこそインテルは、誰もが AI を扱えるようにする機会を提供しているコミュニティー・カレッジと積極的な連携を行っており、米国の高等教育制度において、AI テクノロジーを学ぶことができるコミュニティー・カレッジは、経歴や専門分野の異なる幅広い生徒を惹きつけています。インテルは、AI のような新しいテクノロジーの影響を受ける、あらゆる職業や社会的地位にある人々に関わる方法を、常に模索し続けています。
インテルによるイニシアチブ
テクノロジーはこの地球上のあらゆる人の生活を豊かにすべきであると、インテルは考えています。包括的な責任ある AI は、世界を大きく変革し、人の可能性を広げる高性能なツールを提供し、サステナブルな未来を実現するパワーを秘めています。インテルは、パンデミックや自然災害、公衆衛生といった世界規模の重要な課題に対処するため、AI の力を活用しています。そして、人間の潜在能力を解放し、包括性を強化し、障がいを持つ人々のアクセシビリティーを強化するために、AI を活用したさまざまな機能やソリューションを開発しています。
アクセシビリティーの強化
障がいを持つ多くの人々にとって、自立と自律は困難な課題となり得ます。AI は、日常生活に存在する障壁を取り除いたり、代替する製品やソリューションを提供して、障がいを持つ人々の生活を変えることに貢献しています。
AI を学ぶ機会の創出
インテルは、青少年向けの「AI for Youth」や、AI 人材の育成を目的とした「AI for Future Workforce」といったプログラムを活用して、学生がこれからの社会で必要な AI テクノロジーを基礎から学ぶ機会を創出し、世界的な AI のスキル・ギャップを低減するための取り組みを行っています。
この世界と環境を理解する
AI テクノロジーを活用することで、研究者はこの世界と環境についてより深く理解できるようになります。環境を改善し、より良い未来を築くためのソリューションを開発できます。
未知の世界への探求を促進
インテルは NASA および Mayo Clinic と共同で、AI による連合学習を活用し、宇宙放射線の影響についての理解を深め、宇宙飛行士が健康を向上させる支援をしています。